遠方にある実家を相続して売却する場合の不動産会社の選び方

2024年2月1日 |  コラム

超高齢化社会が進む日本では、近年、実家を相続する人が増えています。しかし、持ち家がある、就職して実家から遠く離れたところで働いているなど、いろいろな理由で相続しても実家に戻って住む人は少ないのが実態です。

そのため、当社でも不動産を相続した方から多くお問い合わせいただくのですが、お付き合いのある地主様や物件オーナー様、過去に仲介のご依頼をいただいたお客様から、たとえば「埼玉県の物件なんだけど、売却を頼める?」といった感じで、遠方にある不動産の売却相談を受けることがあります(当社は横浜市港南区にあります)。これは遠いから無理だと思うけど、もしかしてできる?的な意味合いで聞かれているのだと思います。

一方で、「大阪の物件を売却したいんだけど、大阪に知り合いの業者いない?」といった感じでお問い合わせいただくことがあります。これは当社から大阪は遠いので売却の仲介を頼むのはムリだろうから、現地に知り合いがいるなら紹介してもらいたい。まったく知らない不動産会社に頼むより、付き合いのある会社の知り合いの会社に頼んだ方が安心、という気持ちなのだと思います。

どちらのケースにしても、多くの人が「売却したい不動産がある地域の不動産会社にしか頼めないのではないか?」と考えているということです。売却を検討される方が置かれている状況は様々ですので、現在お住まいの近くにある不動産会社に頼めるのであれば、より良い選択肢になり得ますので、本記事を参考にご自身に合った不動産会社選びのお役に立てればうれしいです。

相続した不動産から遠方にある不動産会社に売却を依頼できるか?

できる会社もあります。

会社の規模に関わらず、全国対応している会社であれば売却を依頼できます。もちろん、地域密着でエリアを限定して営業している不動産会社もありますので、問い合わせをして確認する必要があります。

遠方にある不動産会社に依頼する場合のリスクとは?

住んでいる地域の不動産会社に依頼できる可能性があることは分かった。でも、やっぱり売却したい不動産がある地域の不動産会社の方が良いのでは?と思う人もいるでしょう。

そのように思うのは、遠くの不動産会社だと「テキトーに売られることはないか?」という不安があるからだと思います。なんとなく、不動産のある地元の会社の方が、親身になって対応してくれそうなイメージがありますよね?

お客様の経済状況などから、とにかく早く売却して欲しい方もいれば、多少時間がかかって少しでも高く売却して欲しい方もいます。そういう個々の状況を踏まえて、お客様のご要望を実現できるように、親身に対応してくれる会社に依頼したいというのがお客様の本音でしょう。

ですから、テキトーに売却されるリスクはやはり怖いし、避けたいはずです。

では、どのように不動産会社を選べば良いかですが、2つの観点からお伝えします。

  • 「相続した不動産がある地域の不動産会社」と「現在住んでいる地域にある不動産会社」のどちらを選ぶと良いか。
  • そのうえで「どのような考え方や提案をする不動産会社」を選ぶと良いか。

「相続した不動産がある地域」と「現在住んでいる地域」どちらに依頼するか?

当社はで、シンプルに次のように考えることをおススメしています。

  • 売却する実家不動産がある地域に知り合いの不動産会社がある場合は、その不動産会社に依頼する
  • 売却する実家不動産がある地域に知り合いの不動産会社がない場合は、今後のことを考えて現在お住まいの地域にある不動産会社に依頼する

知り合いの会社が現地にあるなら、その会社に依頼すると良いです。知り合いであれば、やはり心理的に安心感がありますよね。リスクで挙げたような、テキトーな仕事をされることはまずないでしょうから。

また、相続した不動産をそのまま売却できるとは限りません。リフォームをしたり、解体して更地にして売却した方が良い場合もあります。売却にあたって、隣地との境界が曖昧なため確定測量が必要な場合もあります。そういう場合に、現地での営業活動を通じてお隣さんを含む近隣の方と面識がある可能性があり、円滑に進められるメリットも現地の不動産会社にはあります。

実家の近くで知り合いの不動産会社がなければ、現在お住まいの地域の不動産会社に相談しましょう。今住んでいる家が賃貸であれ、購入であれ、依頼した不動産会社の対応に満足しているのであれば、その不動産会社に対応できるか相談してみましょう。

もし、そういう不動産会社がない場合は、いくつか不動産会社をまわってみて、信頼できそうな会社を見つけましょう。不動産会社の視点から言っても、今後、ご自身のお住まいとして、不動産の購入や売却、賃貸があるかもしれないですので、親身にしっかり対応してくれるはずです。

遠方にある不動産会社を選ぶときのポイントとは?

さきほど書いたとおり、過去に対応に満足している不動産会社があれば、そちらに依頼するのが良いですが、新しく信頼できそうな会社を選ぶときはポイントがあります。

売却に関わることを丸ごと任せられるか

おそらくお仕事やご家庭の事情などから、お客様としても、遠方にある実家に何度も足を運ぶのが大変な方が多いと思います。地方なればなるほど、行くのも大変でしょうし、その地方特有の分からないことがあったりします。

たとえば当社の事例としては、鹿児島県にある物件の売却で、敷地内にお墓があり、墓じまいをして移転しなければいけないことがありました。地域ごとに手続きが異なるため、役所に行って確認したり、町内会長に確認と承認を得たり、墓じまいの閉眼供養を手配する必要などがありました。

鹿児島県の不動産売却の仲介で墓じまいの段取り含めて丸ごと担当した事例はこちらからお読みください。

お客様のご要望にもよりますが、売却に関わることを丸ごと窓口となって対応してもらえるかどうか?を確認すると良いです。

売主様と買主様双方のことを考えて提案してくれるか

不動産の売却をご依頼いただく売主様に満足していただけるように取り組むのは当然です。しかし、不動産を購入される買主様のことも考えることが、結果的に売主様により満足いただけることになります。

たとえば、売却にあたり不動産に瑕疵がないかしっかり確認します。瑕疵だと思われることがあっても本当に瑕疵なのか、例外や救済措置の対象にならないか、などを調査します。隣地との境界が境界石が無かったりで曖昧な状態になっていれば、確定測量をしてから売却します。

購入された方が入居されたあとにトラブルになりそうなことは、売却にあたってしっかり対応しておくことで、未然に防ぐことが最終的に売主様にとってもより安心だと思います。

最適な売却方法を考えて提案してくれるか

相続する不動産ごとに状態は異なります。そのまま売却できることもあれば、リフォーム(水まわりのリフォーム含む)をした方が高く売れることもあります。立地によっては建物を解体して更地にした方が高く売れることもあります。現地調査をして、最適な売却方法を提案してくれるか確認しましょう。

リフォームをする場合や解体して更地にする場合、遠方の不動産会社であれば、現地のリフォーム業者や解体業者にリフォームや解体を依頼することになります。

依頼にあたって工事費用が適正かチェックしてくれるかも重要です。リフォーム業もしている不動産会社は多いですが、解体工事や水まわり工事まで自社施工している会社なのか?そういう会社であれば、見積りが適正かをきちんとチェックできます。

もし、相続した実家が空き家だった場合は、「相続した実家で空き家問題!?不動産視点で知っておくべきこと」の記事も参考にお読みください。

さいごに

相続した実家を売却するのに、実家近くに不動産会社でなく、現在お住まいの近くの不動産会社でも、全国対応していて依頼できる可能性があることをお伝えしました。

ただ、どちらにしても、単に依頼できるかどうかが問題ではなく、お客様のご要望に対して親身になって対応してもらえるかが重要でした。お客様のお仕事やご家庭の状況などを踏まえて、売却にあたって何を求めるのかを明確にして、そのご要望を満たす提案をしてくれる不動産会社に依頼されることが大切です。

当社は不動産売買仲介は全国対応しています。リフォーム業(建築工事、管工事、内装仕上工事、解体工事の建設業許可取得)、水まわり工事業も行っていますので、売主様と買主様のことを考えたご提案、最適な販売方法のご提案、工事価格の適正チェックはもちろん、売却に関わることを丸ごとお任せいただけます。

遠方の不動産を相続して現地に知り合いの不動産会社がない場合は、一度お気軽にご相談ください。

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