屋根修理は悪徳業者に要注意!点検商法などの注意点・業者の選び方

2024年8月19日 |  コラム

戸建てに住んでいる人は、「屋根の点検無料でやりますよ!」という飛び込みの営業が来た経験が、一度や二度はあるのではないでしょうか?

私の親は横浜市内の戸建てに住んでいますが、話を聞いてみると、やはり何度か飛び込みの営業が来たことがあるそうです。「たまたま近所の工事でとおりかかったら、お宅の屋根が傷んでいるのが見えました。放っておくと雨漏りするかもしれないし、点検は無料なので点検した方が良いですよ。今時間あるからやりましょうか?」みたいな感じで言われることが多いそうです。

その度、「家を建てた業者さんに修理が必要なことは全部やってもらっているので、今度確認してもらいます」と断っているそうです。でも、今すぐ確認した方が良いと、しつこい業者もいるみたいで、思い出して怒っていました。。。実際、外壁の補修を家を建てた業者さんにやってもらったときに、屋根の話をしたら、どこも傷んで無かったそうです。

しかし、「業者に言われて不安になってしまう人」「無料だったら点検だけでもお願いしようと思う人」「グイグイ来る営業に弱い人」は、点検をお願いして、あれよあれよという間に屋根工事をすることになって、本当は不要な工事をされたり、高額な請求をされてしまう、、、というトラブルが多く起こっています。

国民生活センターによると、特に、屋根工事の点検商法によるトラブルが急増しているようです。点検商法だけでなく、悪徳業者による詐欺被害にあわないために知っておくこと、実際に屋根が傷んでいて修理・リフォームが必要になったときの業者の選び方についてまとめましたので、参考にしてください。

※警察も注意喚起しています。神奈川県警は「悪質な屋根修理業者に要注意」ということでHPに掲載しています。こちらをクリックしてお読みください。

屋根工事に関する国民生活センターへの相談

さきほども書いたとおり、屋根修理に関するトラブルは点検商法によるものが急増しています。国民生活センターの発表によると、2018年から2022年の5年間で923件から2,885件と約3倍に相談件数が増加しているそうです。

点検商法による相談は屋根工事だけでなく、壁工事、塗装工事、内装工事など他の工事もありますが、屋根工事は2022年度は35.4%を占め、点検商法による相談でもっとも多くなっています。

ちょっと増加件数の増え方には驚きますね!それに、いろんな工事がある中で屋根工事の相談が一番多いと。これは、このあと触れますが、屋根は見えづらいからというのが影響しています。

※独立行政法人国民生活センター2023年10月11日公表資料はこちらをクリックして参照ください。

悪徳業者の屋根工事の詐欺手口

点検商法だけに限らず、屋根修理の悪徳業者に共通する詐欺の手口は次のとおりです。しかし、もちろん、以下の内容に当てはまっているからといって、すべてが悪徳業者ではありません。とはいえ、悪徳業者に多い詐欺の手口になるので、該当するものがあれば注意するに越したことはありません。

詐欺手口1.突然、自宅に訪問してくる

事前連絡なしで、突然、自宅に訪問する飛び込み営業できます。飛び込み営業自体は違法でも何でもないので、飛び込みで来る業者すべてが悪徳業者ではありません。

しかし、「屋根が壊れているように見えたので、すぐに修理した方が良い」「すぐに修理しないと屋根材が飛んで、ご近所に迷惑がかかりますよ」といった感じで、必要以上に不安を煽るようなことを言ってくるようなら、注意した方が良いです。

昭和や平成の途中までは、屋根工事ではありませんが、飛び込み営業が意外とあった記憶があります。でも、最近はあまり見聞きしません。今のご時世、高齢者宅を狙った特殊詐欺が多発しているため、世間から勘違いされないように飛び込み営業は控えている業者が多いのだと思います。

詐欺手口2.無料で点検しますと言ってくる

「無料で屋根の点検しますよ」と言ってくる業者は要注意です。

とにかく屋根に上るために、無料で点検すると言ってくる業者がいます。屋根に上ると、地上から様子が見えないため、何をしているか分かりません。悪徳業者は、屋根が劣化した一部分の写真を撮って、すぐに修理しないと雨漏りするなど不安を煽って契約しようとします。

ひどい場合は、屋根に問題がないのに、ありもしない劣化を報告したり、屋根を壊したり、別の家の屋根の写真を見せたりすることもあります。

無料だし点検だけでもやってもらおうかなと思いたくなりますが、国民生活センターや警察、各市町村が注意喚起しているということは、それだけ被害が多い証拠なので注意しましょう。

詐欺手口3.ビックリするような大幅な値引きをする

「本来200万円かかりますが、半額の100万円で修理します」「今ちょうどキャンペーン中なので半額で修理できます」といった、大幅な値引きをしてくる場合は注意してください。

依頼する側としては、安く屋根の修理・リフォームができるに越したことはないですよね?でも、当たり前ですが、業者側が赤字になる工事はしません。最初に提示する見積額が、値引きを前提とした金額で、「こんなに安くなるなら!」という心理にして契約しようとしていたり、手抜き工事や粗悪な材料を使うことで利益を出そうとします。

いい加減な工事をされると雨漏りに繋がったり、またすぐに工事が必要になったり、余計に費用がかかることになるので、金額だけで判断しないようにしましょう。

詐欺手口4.契約を急かして即決させようとする

大幅な値引きと組み合わされることがありますが、とにかく契約を急がせる業者は注意です。「今日契約してくれたら30万円値引きします」「今日契約しないと工事の予定がいっぱいで入れられなくなる」「キャンペーンが今日までなんです」といった感じで、とにかく契約を急がせます。

他社と相見積もりで比較されたら、悪徳業者だとバレてしまうので、可能な限りその場で即決させようとします。屋根の修理・リフォームはそれなりに高額になるため、焦らずに納得できる業者を選んで依頼するのが安心です。

業者の立場では、相見積もりされず即決してもらえることは嬉しいです。しかし、まっとうな業者であれば、決断を急がせて契約するようなことはしません。あくまでお客様の決断を尊重するスタンスが普通です。

詐欺手口5.火災保険を使ってタダで修理できると言う

「火災保険を使えば、無料で屋根の修理ができます」と言ってくる業者がいます。

そもそも火災保険とは、火災だけでなく、風災(台風など)や水災(洪水など)、雪災などの自然災害で被害があった場合に適用される保険です。経年劣化による屋根の修理・リフォームや被害にあった部分以外の工事には適用されません。

火災保険が適用されるかは、加入している保険会社によって異なります。保険がおりるか、保険金額がいくらになるかは、保険会社の審査によって決まります。業者が審査するわけではないので、「当社と契約すれば100%保険がおります」と言われても、信用してはいけません。

工事が終わったあとに、保険がおりないと全額自己負担になってしまいます。保険がおりる場合でも、必ず工事費用全額の保険金がおりるわけではありません。高額な工事代金が請求された場合は、工事代金と保険金の差額は自己負担になります。また、保険がおりないことが分かって契約解除しようと思っても、違約金を請求されるので注意が必要です。

本来、経年劣化が原因で屋根の修理・リフォームをするのに、虚偽の理由で保険金を請求すると、刑事罰に問われる可能性があると警察も注意喚起していますので、虚偽の申請は絶対にしないようにしましょう!

悪徳業者による屋根修理でのトラブル

悪徳業者に依頼すると、次のようなトラブルが発生する可能性があります。

トラブル1.手抜き工事をされる

業者が利益を増やすために、手抜き工事や屋根材・塗料などのグレードを勝手に下げて工事される可能性が高いです。屋根が見えない部分なだけに、このように手抜きや勝手な変更をされても気付くことは難しいです。

このような工事をされると雨漏りの原因になったり、屋根の耐久性が低くなって短期間で再度修理が必要になったり、余計な費用がかかることになります。

トラブル2.高額な工事費用を請求される

そもそも見積額自体が高額な場合がありますが、それ以外に工事中に追加の工事が必要な部分が見つかったと言われることがあります。工事が始まってしまうと、途中で止めるわけにはいかないので、依頼せざるを得ず、工事費用が高額になることがあります。

水漏れや害虫駆除でネットで格安業者を見つけて依頼して、高額な請求をされたというニュースを聞いたことがないでしょうか?屋根工事でも同じようなことがあるので注意が必要です。

トラブル3.不具合があっても保証の対象外と言ってくる

工事後に不具合があって業者に連絡しても、「その工事は保証の対象外です」と言われて、対応するには追加で費用がかかってしまうことがあります。

施行保証は業者が独自に付ける保証ですので、業者によって保証期間と内容は異なります。保証期間が長くても内容が十分でない場合もあるので注意が必要です。

屋根工事詐欺の被害にあわない対策

特徴のところと重複する内容が一部ありますが、屋根工事で悪徳業者の詐欺被害にあわないためには、次のような対策が有効です。

対策1.名刺をもらう

こんなのが対策か?と思うかもしれませんが、名刺をもらいましょう。「たまたま通りかかっただけなので名刺を持っていない」と言ってくる場合は、名刺をもって再度来てくださいと伝えましょう。悪徳業者は所在を知られたくないので、名刺を求められるのはイヤがります。

名刺があっても、ホームページがない、電話番号が携帯電話だけなどの場合は、業者に一度帰ってもらった後にGoogleMapで所在地に会社が表示されるかなど確認しましょう。地名が存在しない、建物が存在しない、別の会社が表示されることがあります。

対策2.屋根に上らせない

これが一番の対策になります。屋根に上らせない。

どんな悪徳業者であっても、屋根に上れなければさすがにどうにもなりません。上らせてしまうと、地上から見えないのを良いことに、他の家の破損した屋根の写真を見せられたり、屋根を壊されたりといったことに繋がってしまいます。

ドローンや高所点検カメラでチェックしてくれる業者もありますし、本当に屋根が破損しているか不安な場合でも、自分が納得いく業者を選んでからで遅くありません。

対策3.即決してその場で契約しない

もし屋根に上らせてしまって、修理が必要だと言われても、その場で即決して契約しないことです。悪徳業者でも契約をしなければ、勝手に工事はできません。

そもそも、屋根修理はそれなりの金額になりますから、即決せずに比較検討して業者を決めるのが無難です。これは屋根に限った話ではないはずです。

「家族に相談してから決める」「他の会社にも相見積もりをして検討する」と伝えて、一旦、業者には帰ってもらいましょう。即決するようにしつこく食い下がってくる業者は、詐欺がバレるのを恐れている証拠です。あまりにしつこい場合は、警察に通報します、と言って帰ってもらいましょう。

対策4.相見積もりを依頼する

もし本当に屋根が壊れていたらどうしよう?壊れているなら修理しないとマズイのでは・・・と不安であれば、3社程度から見積りを取りましょう。ただし、相見積もりの依頼をする業者選びをちゃんとしないと、相見積もりをする意味がなくなってしまう可能性があります。

相見積もりを依頼するからには、本当に修理が必要な場合を想定して、納得できる形で業者を選ぶことが大切です。

対策5.詳細な見積りをもらう

見積り無しは論外ですが、ごく小規模な修理は別ですが、各項目が○○一式になっていたり、数量・単価が記載されていない場合は、そのまま契約すると、あとから追加の工事費用を請求されることがあるので、詳細な見積りをもらいましょう。

使用する屋根材や防水シートなどの詳細が記載された見積りをもらいましょう。相見積もりをすれば、専門的な内容でどこまで詳細な見積りをもらえば良いか分からなくても、横並びで見たときに明らかに不明瞭な見積りは分かります。

屋根修理でトラブルが発生したときの対処法

対処法1.クーリングオフする

契約後に悪徳業者による詐欺にあったことに気付いた場合、クーリングオフ制度を利用して契約を解除することができます。クーリングオフの適用条件はいくつかありますが、大きくは、業者が自宅を訪問しての販売であること、屋根工事の契約をした後8日以内であることです。

クーリングオフの詳細は、こちらをクリックして国民生活センターのホームページからご確認ください。

対処法2.公的機関に相談する

消費者トラブルを解決することを目的に設置されている、国民生活センターや消費生活センターに相談しましょう。専門の相談員が相談にのってくれます。聞いたことがない人がいるかもしれませんが、消費者ホットライン(TEL:188)というものがあり、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してもらうこともできます。

対処法3.弁護士に相談する

国民生活センターや消費生活センターは、被害を解決する方法について一般的なアドバイスを受けることはできますが、たとえば工事代金の返金請求などは対応してもらえません。屋根工事契約の取り消しや訴訟による返金請求は、弁護士に依頼する必要があります。

屋根の寿命と点検

屋根の寿命

悪徳業者による屋根修理について説明してきましたが、実際のところ屋根の寿命はどのくらいで、何年くらい経ったらリフォームが必要になるものか知りたいですよね?

実は、屋根材によって寿命(耐用年数)は異なります。屋根と一言で言っても、材料は何種類もあります。ストレート屋根、アスファルトシングル、和瓦、セメント瓦、ガルバリウム鋼板、トタン屋根・・・など。そして、この屋根材なら何年と明確に決まっているものはありません。

屋根は日光や雨風にさらされており、気候条件やメンテナンスの状況によって寿命が変わります。ホームページを見てみると業者ごとに書いている年数のバラつきがあるのはそのためです。そういう意味では、ざっくりこのくらいと参考にする程度が良いでしょう。

定期点検と点検

屋根の寿命を知ることより大切なのが、定期点検の実施だと考えます。定期点検を実施して、適切にメンテナンスをすることで、状態良く長く使い続けることができるからです。

では、何年くらいで定期点検をすれば良いかというと、、、すみません、こちらも寿命と同じく、使用している屋根材や環境によって変わってくるため、明確に何年とは言えません。

屋根材耐用年数定期点検目安
ストレート屋根20~30年5~10年
アスファルトシングル20~30年5~10年
和瓦50~100年20~30年
セメント瓦25~40年10~15年
ガルバリウム鋼板25~50年15~30年
トタン屋根10~20年10~15年

なかなか明確に何年とお伝えできないのと、外壁のように普段生活している中で目に入らないこともあって、実際に定期点検をして必要なメンテナンスをされている方は少ないと思います。

ただ、いざ雨漏りがあって慌てて屋根修理をすると、相見積もりをとってじっくり納得できる業者を選んでいる余裕もなくなってしまいます。そのため、地上から見て、「ヒビが入っている」「割れている」のが分かる場合は、点検を依頼しましょう。

また、色あせしている場合は、塗装がうすれて塗膜が劣化して防水性が低下しているため、点検した方が良いです。防水性が低下すると屋根材が水を吸収しやすくなり、コケが生えるようになるので、コケが生えている場合も点検した方が良いです。

屋根工事会社の選び方

1.建築した会社に依頼する

一番安心なのは、新築戸建てを購入してお住まいの場合で、建築した会社に屋根工事を依頼できるなら、その会社に依頼することです。

屋根に限らず外壁や水まわりの設備など、住み続けているとメンテナンスが必要になることがあります。その度に、いろいろな会社に依頼するよりも、建築した会社と長い付き合いをしていく方が快適な住まい環境を持続していくために、より良い提案を受けることもできます。

2.ご近所さんに紹介してもらう

もし、今お住いの住宅の建築に不満がある、建築した会社では工事ができない、倒産してしまった、中古で購入したといった場合は、建築した会社以外を探して依頼することになります。この場合に一番無難なのは、屋根工事をしたご近所さんから紹介してもらうことでしょう。工事や工事後のアフターサービスに満足していなければ、ご近所さんも下手に紹介しませんから。

3.万が一の保険などアフターサービスで選ぶ

ご近所さんからの紹介もない場合は自分で探すことになります。この場合は、インターネットで検索して、クチコミを確認して・・・というのが一般的だと思います。ただ、クチコミも過度に信用すると危ない側面があります。工事の実績があって、所在が明らかであれば、万が一の保険がしっかりしているか、という観点が一つ有効だと思います。リフォーム瑕疵保険や第三者賠償責任保険に加入しているかを確認しましょう。

まとめ

屋根の修理・リフォームで悪徳業者の詐欺にあわないように、ポイントをお伝えしてきました。しかし、ここで記載している以外にも、詐欺の手口があったり、いろんなトラブルが起きる可能性があります。

また、屋根修理だけでなく、いろんな悪徳業者がいます。悪徳業者による詐欺被害にあわないためにも、家の事ならこの会社に聞いてみれば大丈夫!と思える、信頼できる会社を見つけておくことが大切です。どうしても、初めて依頼する会社には多少の不安は付きまとうものですから。

もし、その会社ができない工事でも、その会社が信頼している会社を紹介してくれます。やはり、世の中、信頼関係はとても大切です。当社も、ひとつひとつのリフォーム、設備の交換などを丁寧に行うことで、お客様にご満足、信頼していただき、一度限りではなく末長くお付き合いいただけるように取り組んでまいります。

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