退去後賃貸アパートのキッチンリフォーム

2024年7月18日 |  リフォーム事例

横浜市港南区の三共住販株式会社です。

横浜市神奈川区の管理会社様より、退去後の賃貸アパートのリフォームのご依頼をいただきました。リフォームの内容ごとに3回に分けてご紹介します。今回は、キッチンリフォームの事例です。

退去後のキッチンの状態

まず、キッチンの状態を確認しました。

リフォーム前キッチン
リフォーム前キッチン

退去後そのままだったのですが、ガスコンロや壁面タイル、壁クロス、レンジフードは、調理中に飛び散った油や調理器具に付いた油がこびりついて、ベトベトに汚れていました。

流し台は、排水口に穴が開いていました。長年使用しているとステンレス製でも腐食して小さな穴が開いてしまうことがあります。排水口に穴が開くと、シンク下の収納部分に水が漏れてカビが発生したり、水漏れが長期化するとシンク下の構造物が腐食する可能性があります。

ガスコンロはビルトインコンロが設置されていましたが、ビルトインコンロを天板に固定するネジが錆びていました。キッチンは水まわりなので湿気が多いのと、調理中の油が飛び散って付着することでネジは錆びやすくなります。ネジが錆びると強度が低下して固定がしっかりできず、コンロがずれたりガタついたりする可能性があります。

リフォーム前キッチン(横から)
リフォーム前キッチン(横から)
リフォーム前キッチン(上部)
リフォーム前キッチン(上部)

キッチンリフォームの内容

ガスコンロ

以下の理由から、お客様とご相談して、新しく施工するキッチン台のコンロはビルトインコンロではなく、据置型のコンロを入居者様にご準備いただくことにしました。

・ビルトインコンロは交換コストが高くなること
・次の入居者様にとって据置型のコンロの方が好みのコンロを選べたり、以前使用していたコンロを持ち込んで使用できるなど自由度が高いこと

水栓

既設の水栓蛇口は2ハンドルでした。しかし、2ハンドルよりシングルレバーの方が、見た目がスタイリッシュですし、水温と水量の調整がしやすいため、お客様のご希望もありシングルレバーの水栓に変更することにしました。

その他

油汚れのひどい、レンジフードは交換、壁面タイルはキッチンタイルに変更、壁クロスは張替え、床はフローリングからフロアタイルに変更することにしました。

床面の改修は、キッチン以外の床面を含めて「退去後賃貸アパートの畳および床面リフォーム工事」でご紹介していますので、そちらの記事をあわせてお読みください。

キッチンのリフォーム工事内容

それでは、新しいキッチン台へのリフォーム工事の内容をご説明します。

リフォーム後キッチン(前から)
リフォーム後キッチン(前から)
リフォーム後キッチン(横から)
リフォーム後キッチン(横から)

既存キッチン台の解体撤去

まず、既存のキッチン台を解体して撤去します。

キッチン流し台の水栓に繋がっている給水管、給湯管、排水管、さらにビルトインコンロに繋がっているガス管をすべて取り外します。壁面タイルとキッチン台の間にコーキングがされているため、コーキングを切ってキッチン台を取り外していきます。レンジフードは、電源またはコンセントを抜いた後、排気口との接続を切り、壁に固定されているビスを外して撤去します。

壁面タイルをキッチンパネルへ変更

今回、新しく取り付けるキッチン台の高さが既設のものより少し高くなります。また、床面にフロアタイルを張るため、その分高さが変わります。壁面タイルは解体したいですが、タイルを解体すると壁のボードが一緒に割れる可能性が高くなります。

そのため、既設の壁面タイルに下地を打ち、その上にキッチンパネルを張る施工にしました。

壁面タイルを貼ってある部分と貼ってない部分の高さを同じにして、新しい壁の下地を作ります。その下地にキッチンパネルを貼り、隙間ができてしまうところはコーキング剤で埋めて仕上げます。

キッチン流し台の設置

キッチンの流し台を取り付けるためには、給水管、給湯管、排水管を接続するための穴をキッチン台に開ける必要があります。管が壁から出ている場合や床から立ち上がっている場合など、建物によって違うため、建物の状況にあわせてキッチン台を加工していきます。

蛇口の取り付けも同時に行います。蛇口は2ハンドルからシングルレバーに交換します。流し台の上部の吊り戸棚は、吊り戸棚の下にキッチンの手元灯を取り付ける必要があるため、吊り戸棚に電線を通す穴を開けておきます。

コンロ台の設置およびガスコックの取り付け

ガスコンロはビルトインコンロから据置型コンロに変わります。既設のキッチン台は流し台とビルトインコンロが一体型になっていますが、ガスコンロを置くコンロ台になるため、コンロ台にガスコックを出すことになります。

新しく貼ったキッチンパネルによる壁からの奥行き、コンロ台に付いているバックガードを考慮して、適切な位置にガスコックが出るように寸法を取って取り付けます。

なお、ガスコックを取り付けるには、簡易内管施工士という資格が必要になります。都市ガスを使用している地域で、ガス機器の移設・設置工事に伴う、ガス栓の増設や位置替えを行うために必要な資格で、工事担当者が有資格者であること、東京ガスや大阪ガスなどの都市ガス供給業者との間で簡易内管施工登録店契約をしていることが必要になります。

タイトルは給湯器交換になっていますが、ガス機器に関する資格の説明になりますので、「給湯器交換を失敗しないための資格・リスク・業者選びを徹底解説」の記事を、あわせてお読みください。

レンジフードの取り付け

レンジフードは火災予防条例(東京都条例第65号)で、横幅は「レンジフード本体の幅及び奥行きは調理機器(ガスコンロやIHコンロ)の幅及び奥行きの寸法以上とすること」、高さは「調理器具表面より80cm以上離すこと」と定められています。条例の内容を踏まえて、設置位置を確認しながらレンジフードを取り付けていきます。

換気扇ファンの種類には、シロッコファンとプロペラファンがあります。シロッコファンは、ダクトを通して外に排気するタイプのため、レンジフードを固定してからダクトとつなぎました。

キッチンリフォームを終えて

キッチンのリフォームには流し台に繋がっている給水管、給湯管、排水管の工事、ガス工事、換気扇ファンと関わってくる工事がいろいろあります。レンジフードの取り付けは条例を踏まえる必要がありますし、ガスコックの取り付けは資格が必要になります。

リフォーム業をやっている不動産会社はたくさんありますが、解体は建設業許可が必要ですし、解体に伴って発生する廃棄物を処分するには産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。水まわり工事は、給水管の交換などが発生する場合は、上下水道の指定工事事業者でなければできません。

当社は、建設業許可(許可を受けた建設業:建築工事業、管工事業、内装仕上工事業、解体工事業)、産業廃棄物収集運搬業許可を取得、上下水道の指定工事事業者と、必要な免許や資格を保有していますので、水まわりの工事を含むリフォームと不動産仲介までワンストップで対応できます。

今回ご依頼いただいた残りのリフォームは以下の記事となります。あわせてお読みください。
退去後賃貸アパートの畳および床面リフォーム工事
退去後賃貸アパートの3点ユニットバスリフォーム工事

ご相談は無料です。お困りごとがありましたら、是非一度お問い合わせください。

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