2023年12月4日 | 水まわり工事事例
横浜市都筑区の賃貸アパートの入居者さんから、瞬間湯沸かし器が点火しなくなりお湯が出なくなった、とご相談をいただきました。
ガス瞬間湯沸かし器が点火しない場合は、まずは電池の消耗によるものかランプで確認します。
(ご自身でランプを確認するときは、ランプ点灯の意味がメーカーによって異なるものがあるため、取扱説明書で確認してください。)
設置されている瞬間湯沸かし器はリンナイ製でしたので、電池の寿命で電池交換が必要な場合であれば緑色のランプが点灯します。確認したところ、緑色のランプは点灯していなかったため、電池の寿命が原因で点火しないということではありませんでした。
なお、同じ緑色のランプでも点滅している場合は、点検お知らせ機能で経年劣化による事故を防止するために、点検の実施時期を知らせるものになります。点検は有料になるため、点検するか交換するかを今後の利用状況から検討すると良いですね。
今回のように点火してもすぐに種火が消えてしまう場合で電池の寿命が原因でない場合は、器具の故障やその他不具合の可能性が疑われます。
メーカーは標準的使用の場合、ガス瞬間湯沸かし器は約10年が耐用年数としています。設置されていた瞬間湯沸かし器は使用して10年を超えていたため、故障した場合のリスクを踏まえて交換することにしました。
耐用年数を超えて経年劣化すると、内部の部品が消耗や劣化して故障につながりやすくなります。故障することで重大な事故が起こる可能性が出てきます。
それは、一酸化炭素中毒と火災です。
瞬間湯沸かし器で不完全燃焼が起きると、ガスを燃やすために必要な酸素が適切に取り込めないことで、一酸化炭素が発生してしまいます。一酸化炭素はわずかな量でも吸ってしまうと中毒症状を引き起こす可能性がある危険な気体です。また、不完全燃焼により異常燃焼が引き起こされて火災になる可能性もあります。
瞬間湯沸かし器内部のガス管やゴムパッキンが経年劣化で耐久性が低下し、ガス漏れを引き起こす危険もあります。ガス漏れすると周辺の可燃物に引火して火災や爆発事故につながる恐れもあります。
上記のような危険に対してメーカーも対策を取っており、瞬間湯沸かし器には不完全燃焼防止装置がついています。燃焼不良状態、つけっぱなし、風が入って火が消えてしまう等、不完全燃焼状態になると、不完全燃焼防止装置が作動して機器の運転を停止します。
不完全燃焼防止装置が3回連続で作動すると、再点火防止装置が作動してロックが掛かかり、使用禁止状態になり瞬間湯沸かし器を使用できなくなります。ロック状態になると、解除はメーカー対応になってしまいます。
写真から分かるとおり、瞬間湯沸かし器がシンクから離れた位置に設置されていました。そこで、今回の交換では次の2点の対応をしっかり行わせていただきました。
瞬間湯沸かし器に同梱されている出湯管より長い出湯管が取り付けられていました。そのため、出湯管を別で注文してから交換工事を行いました。
ガスホースも設置されていたものが長かかったため、適切な長さに新しく作り直して施工しました。
瞬間湯沸かし器の故障による危険のところで書きましたが、瞬間湯沸かし器は室内で使用するため、換気が不十分な状態で使用すると、一酸化炭素中毒や火災など重大な事故になることもあります。
実際に、瞬間湯沸かし器を含むガス給湯器の使用が原因での一酸化炭素中毒の事故は毎年のように起きています。その中には、経年劣化による不完全燃焼が原因のものもあります。
不完全燃焼防止装置などでメーカーも事故防止につとめていますが、使用する際には換気を十分にする、耐用年数に近づいたらメーカー点検を行うか交換することが、安心・安全に使用するのに大切だと思います。
ご相談は無料です。お困りごとがありましたら、是非一度お問い合わせください。