屋根に割れ・砂になっている箇所を確認!カバー工法での修理

2024年8月19日 |  リフォーム事例

当社が20数年前に建売した藤沢市の戸建てにお住いのお客様より、屋根修理のご相談をいただきました。

屋根修理のご相談内容

お客様宅に飛び込みで業者が来て、屋根の写真を撮ってもらったところ屋根の状態が良くないと言われ、当社にご相談がありました。

屋根修理は飛び込みで来る訪問営業での詐欺が多く、国民生活センターや警察から注意喚起されています。今回お客様のお宅に来た飛び込みの業者は、そうした詐欺業者ではありませんでしたが、業界の人間としてはちょっとヒヤっとしました。「屋根修理は悪徳業者に要注意!点検商法などの注意点・業者の選び方」の記事を参考にしてください。

そこで、業者が撮影した写真と屋根の実際の現状を見に、さっそくお客様のお宅に伺いました。

現状を確認してみると、屋根材が割れている箇所が多数ありました。また表面が砂になっているところがありました。現状の屋根材はストレート屋根という種類のカラーベストという商品を使用しているのですが、塗装が劣化して屋根材が水を吸って乾いてを繰り返すことで、カラーベストに含まれるセメントが劣化して砂が出てくるのです。

また、外壁塗装の劣化が進んでいて、1階のお部屋で外壁から雨漏れしているとのことでした。屋根や外壁は、日光や雨風にさらされているので、どうしても年数の経過によって傷んでしまいます。

確認した屋根の状態をお客様にお話しして屋根の修理をすることになりました。屋根工事をするには、建物全体に足場をかける必要があります。そのため、お客様とご相談して、屋根だけでなく劣化していた外壁の塗装も一緒に施工することになりました。

実際の屋根の状態

実際に屋根を確認した際の写真です。

何箇所も割れたり、砂っぽくなっているのが分かると思います。屋根材の下に敷いている防水シートが劣化していなければ雨漏りはしませんが、屋根材は耐用年数を超えて劣化すると、こんな感じで結構傷んでしまいます。

屋根修理の工法

今回の屋根修理は屋根カバー工法で施工しました。

屋根カバー工法とは、屋根の下地に問題がない場合に、既存の屋根の上に防水シートを張り、その上に新しい屋根材をかぶせる屋根リフォーム工事の方法の一つになります。

屋根の工事というと大規模な工事を想像するかもしれません。屋根葺き替え工事をすると既存の屋根をすべて撤去して、下地を補修して新しい屋根材を設置することになりますので、大規模な工事になります。その点、屋根カバー工法は、既存の屋根をはがして処分する手間と費用がかからず、工事期間を短く、工事費用をおさえることができます

屋根カバー工法の工事内容

大きく以下の流れで工事を行います。

  1. 足場の仮説
  2. 屋根の高圧洗浄
  3. 棟や金物の取り外し
  4. 防水シートの張り付け
  5. 屋根材の張り付け
  6. 棟板金の取り付け
  7. コーキング打ち

足場の組立と養生シートの設置

屋根に上るための足場を組み立てます。また、粉塵や塗装が飛散して近隣のお宅の外壁や窓ガラスなどが傷付いたり破損するのを防止したり、道具や資材が落下した場合の危険を防止するために足場に養生シートを設置します。

今回の物件の屋根は6寸勾配と急勾配!そのため、万が一、屋根の上の道具や材料などを落としてしまうと止まらずに滑り落ちてしまいますので、しっかり養生しました。

屋根の高圧洗浄

つづいて、屋根の高圧洗浄を行います。

今回は屋根材の劣化により砂になっているところがあったり、コケが生えているところがありました。しっかり高圧洗浄をしておかないと、屋根に乗って作業をするときに足が滑ってしまう可能性があり、滑落防止の観点から大切です。

また屋根カバー工法では、既存の屋根の上に防水シートを張るので、防水シートを屋根にしっかり固着させるために、高圧洗浄で表面をキレイにしておく必要があります。

棟や金物の取り外し

高圧洗浄が終わったら、いよいよ作業に入っていきます。

屋根のてっぺんを棟(むね)と言いますが、棟に取り付けられている板金を取り外し、棟板金の下の下地を取り外します。また、屋根には雪が落ちるのを防ぐため雪止め金具を設置していたので、雪止め金具を取り外します。

防水シートの張り付け

屋根の棟と雪止め金具などの金物を取り外したら、防水シートを張っていきます。

先ほども書きましたが、高圧洗浄をしておかないと防水シートが屋根にしっかり固着しません。防水シートを張るところまで進めば、既存の屋根材の割れや砂、コケなどで滑り落ちる危険性が低くなり、作業がしやすくなります。また、防水シートを張れば雨漏りすることはなくなります。

屋根材の張り付け

屋根の軒先にスターターを付けていきます。スターターは、下地と屋根材をしっかりと固定し、雨水の浸入を防ぐという、屋根の耐久性や建物の寿命に影響する重要な部材です。

スターターを付けたら、屋根材を軒先から棟に向かって一列ずつ張り付けていきます。屋根が急勾配なため、屋根材が滑り落ちてしまわないよう一枚ずつ丁寧に張り付けます。2列目と3列目の屋根材を張り終えたら、雪止め金物を取り付けます。あとは棟に向かって屋根材を付けていくだけです。

棟板金の取り付け

棟の黄色い部分に樹脂の貫を打っていきます。樹脂の貫に打つ形で棟金物を取り付けていきます。

雨などで水が浸みても腐ることがないため、樹脂製の貫は長く使える素材になります。樹脂製の貫にむかってビスで棟の金物を勾配のある2面に1本ずつ取り付けます。何度もビス穴を開けると雨漏りの原因に繋がってしまいますので、棟の金物の幅や曲がって付いていないかなどを丁寧に確認、調整しながら打っていきます。

コーキング打ち

棟を固定するために打ったビスのところや外壁部分に設置してあるところなどにコーキングを打ちます。防水シートがほとんどの防水効果の役目を果たしているので、上からの水が入るようなところに打ちます。コーキングを打つ箇所を間違えると、雨水が抜けるはずの場所に雨水が溜まってしまうといったことが起きてしまいます。

屋根修理にかかった日数

今回はストレート屋根からアスファルトシングルへの屋根カバー工法での工事ということで、2~3週間で施工完了となりました。

ただ、屋根工事はだいたいこのくらいの日数あれば大丈夫です、と一概に言えません。屋根の面積や形状、使用する屋根材によって変わるのはもちろん、天候にも左右されます。

さらに、今回は6寸勾配だったこともあり、急勾配の場合はどうしても作業に時間がかかります。道具や材料を作業する近くに置いておけないため、足場のいろんなところに材料置場を作っていましたが、それでも行ったり来たりと手間がかかりました。それに、6寸勾配だと多少の雨でも滑るので作業ができなくなり、天候をにらみながらのスケジュール調整が大変でした。

屋根のカバー工法による修理を終えて

今回は飛び込み営業で屋根の状態が良くないことが分かりましたが、屋根の場合、飛び込み営業は悪徳業者の可能性が高いです。そのため、できれば定期的な点検をしておくと安心です。

使用している屋根材によって耐用年数や定期点検の目安が変わるのと、環境によっても変わるのですが、「屋根修理は悪徳業者に要注意!点検商法などの注意点・業者の選び方」の記事に参考にしていただける年数を記載していますので、あわせて確認してみてください。

また、もし屋根に上らなくても、ひび割れや色あせ、コケが確認できた場合は、念のため点検を依頼していただくと良いです。

この記事では屋根工事だけ記載していますが、それ以外に、外壁塗装、床暖房と浴室乾燥機、ウォッシュレット交換、玄関タイルの修繕などの工事もしました。複数の工事をバラバラの業者が行うと日程調整などお客様も手間だと思います。当社では自社施工でいろいろな工事に対応できますので、お客様にお手間をかけることなく工事を行うことができます。

ご相談は無料です。お困りごとがありましたら、是非一度お問い合わせください。

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