2024年1月12日 | 売買・仲介事例
今回は、鹿児島の不動産売買の仲介事例をご紹介します。
「え?鹿児島?」と、当社を御存じの方は驚かれたかもしれませんね。当社は横浜市港南区にある不動産会社ですから。普段、不動産売買の仲介のご依頼をいただくのは、横浜市や川崎市を中心とした神奈川県や東京都の不動産が多いです。しかし、当社は全国対応していますので、今回の鹿児島のように遠方の地域からご依頼をいただくこともあるのです。
鹿児島県ならではの風習で対応に焦る場面もありましたが、非常に有意義な経験となった事例ということで紹介させていただきます。
今回ご依頼をいただいたのは鹿児島県にある不動産売却の仲介でした。遠方の地域からご依頼をいただくこともあると書きましたが、、、鹿児島県の不動産売却の仲介は当社初でした!
また、今回の不動産は敷地内にお墓があったため、墓じまいをしたうえで建物を解体して、土地を売却したいというご依頼でした。敷地内にお墓があるのは、地方特有のことになりますが、墓じまいのための役所への届け出書類の作成や閉眼供養など、墓じまいに関することまで含めて丸ごと当社が窓口となって対応させていただくことになりました。
あまり詳細には記載できないのですが、、、もし仮に地元にある不動産会社A社に依頼をすると、ご依頼主様との関係性から、B社やC社がなぜA社なのですか?となってしまうと。地方の人と人との濃い関係やご依頼主様のご職業の関係で、なかなか複雑な事情がありました。
これ、なんとなくイメージできますよね?
そこで、別件でお付き合いのあった、鹿児島とはまったく縁もゆかりもない当社にご依頼をいただくことになりました。これはこれで、「なんで地元の不動産会社を使わないの?」と思われる可能性もあるでしょうが、その地域にしがらみのない他県の不動産会社だからこそ、後々に引きずるものがないというメリットの方が大きかったのではないかと思っています。
一般論ですが、やっぱり地方、地方でも田舎になればなるほど、狭い社会でみんな知り合い、どうしても人づきあいもある。そのため、かえって動きが取りにくいことがあるのではないでしょうか?
そうは言っても、遠方の不動産会社に依頼すると、たとえば、早く売るために適正価格より安く適当に売却されてしまうのではないか?といった不安があると思います。売却では一番避けたいことですよね。そういう意味では、今後のお付き合いを考えて親身に対応してくれる不動産会社に依頼するのが一番です。
考え方として、「売買する不動産がある地域に知り合いの不動産会社がある場合はそこに依頼する」「知り合いの不動産会社がない場合は、今後のことを考えて現在お住まいの地域にある不動産会社に依頼する」のが良いでしょう。
まず、当たり前ですが、必ず現地で不動産を確認することです。
また、自治体ごとに不動産に関連する条例・法令がありますので、条例・法令違反にならないように、役所に行ってきちんと確認する必要があります。ご依頼いただいた不動産は鹿児島県薩摩川内市にあるため、薩摩川内市役所に行って条例・法令を確認しました。
鹿児島県では以下の1件。
薩摩川内市では以下の4件。
それぞれの詳しい内容は省きますが、関連する条例・法令としては防災や環境保全に関するものが多いです。条例や法令がどのように不動産仲介に関係するかと言うと、たとえば、「災害危険区域」に指定されている場合、建築条件や禁止事項があります。売却にあたっては、買主様に対して重要事項説明として、災害発生の危険度が高い、増改築・建て替えができないなどを伝える義務が発生します。
当たり前かもしれませんが、売却の仲介であっても、売主様のことだけではなく、買主様にとっても後に問題が起こることがないよう、しっかり条例・法令を確認することを大切にしています。
隣地の所有者様が居住している場合は、きちんとご挨拶させていただきます。
不動産の売却を仲介している不動産会社という立場では、必ずご挨拶をしなければいけないということはありません。しかし、実は、このご挨拶はとても重要です。やはり地元の方ですので、「お隣の不動産を売却するんです」という話をすると、
こういう可能性があります。
やはり人と人との関係性は重要で、直接対面でお話をさせていただくことで得られるものは大きいです。売却までの流れをスムーズに進めるためにも、きちんと丁寧なご挨拶を心がけています。
冒頭でも書きましたが、今回の不動産は、地方特有の敷地内にお墓がありました。
この場合、お墓を移転するか、または墓じまいをすることになります。具体的なお墓の移転や墓じまいの方法は、検索すると墓石屋さんが専門家として書いているものがたくさんありますので、検索してみてください。こちらの事例では、実際に行った内容をお伝えします。
今回は神道ということで、神道の方法で墓じまいを行いました。お墓には魂が宿るとされていますので、墓じまいの前に閉眼供養を行い、お供え物をして儀礼をおこなうことで魂をお墓から抜いて、墓石を撤去しました。
当社は閉眼供養の神主様への依頼、お供え物の準備をしたのですが、地域特有の風習で焦るシーンがありました。何かというと、、、
私がお供え物として準備したのは日本酒。
しかし、鹿児島県では焼酎を準備する必要があったのです!
そこで、急いで焼酎を買いに行きました。お供え物は焼酎というのは神主様に教えていただいたのですが、鹿児島県と宮崎県は焼酎とのことでした。一般的に日本酒という考えがあったのですが、やはり地域ごとに異なる風習や文化があるというのを、改めて実感しました。
こちらのお墓は土地改良区にあり、お墓の中には昭和初期からのものもありましたので、埋葬許可証はどのように取得すれば良いか、薩摩川内市役所土地改良区で確認しました。今回は、町内会長の記名押印で良いということで町内会長にお願いをして、無事に役所から埋葬許可証を取得できました。このあたりも、地域によって異なるので注意です。
墓じまいをして墓石を撤去し、その後、建物を解体しました。
当社は不動産業だけでなく、解体工事の建設業免許を保有していることから、解体単価・手順等を確認したうえで、地元の解体工事業者様を選定しました。
地方は、特に、隣接する土地との境界が明確でなく、土地面積が不確定なことが多いです。売却にあたっては、確定測量をして土地面積を確定しないと売却価格に影響します。それだけでなく、境界が不明だったり曖昧なまま売却すると、購入後に買主様が隣地の方と境界でトラブルになってしまう可能性があります。買主様にとってのリスクを取り除くためにも、確定測量が必要です。
確定測量は土地家屋調査士が行います。初めて鹿児島県の不動産売買の仲介ということで、鹿児島に知り合いの土地家屋調査士がいないため、地域の土地家屋調査士会に行って紹介してもらい、確定測量のための費用の見積もりをしていただきました。
これまで土地家屋調査士に多くの依頼をしてきましたので、見積金額の妥当性を確認したうえで、依頼者様にご了承いただいて測量を行い、土地面積を確定しました。
販売は鹿児島県の地元の不動産仲介業者様に買い手を探していただくということで、レインズに登録して販売スタートです!
繰り返しになりますが、今回は横浜市の不動産会社である当社が鹿児島の不動産売却を担当させていただきました。遠方の不動産ではありますが、しっかり現地確認から始め、地域ごとにある対応すべき条例・法令の確認、近隣の居住者様へのご挨拶などをしっかり実施することで、ご依頼主様にもご安心いただけるように丁寧に進めました。
また、なかなか経験することがない敷地内にあるお墓の墓じまいも含めて、当社が窓口となってすべて対応させていただくことで、ご依頼主様のご負担を軽くできたと思います。
今後も、お客様に安心してご依頼いただけるよう、ご依頼ひとつひとつを単発の仕事と考えず、お客様と末長いお付き合いをさせていただく想いをもって、丁寧に親身に対応してまいります。