上階からの水漏れ(階下漏水)による修繕工事

2024年10月15日 |  リフォーム事例

目黒区のマンションで上階からの階下漏水による修繕のご依頼をいただきました。

上階からの水漏れ(階下漏水)の状況

ご連絡をいただき、さっそくお客様のお宅にお伺いました。

上階からの階下漏水でお部屋が水浸しになったとのことでしたが、

  • キッチン、リビング、洋室の3箇所で水漏れによる被害あり
  • 上階から水漏れしている部分の天井クロスが剥がれている
  • キッチンのダウンライト、リビングの照明が濡れている
  • リビング入口のドア、洋室入口のドアが閉まらない

という状況でした。

リビング天井クロスの剥がれ
リビング天井クロスの剥がれ
洋室天井クロスの剥がれ
洋室天井クロスの剥がれ
閉まらくなったリビングのドア
閉まらくなったリビングのドア
閉まらなくなった洋室のドア
閉まらなくなった洋室のドア

個人賠償責任保険による修繕

今回は、上階からの水漏れ(階下漏水)が原因ですので、水漏れ被害にともなって必要となる修繕工事は、上階の居住者様が契約している個人賠償責任保険で対応することになります。個人賠償責任保険というのは火災保険に付帯していることが多いです。

保険による修繕工事の場合は、保険会社からの承認前に工事を開始すると保険金請求が拒否されたり、全額支払われないなどの不利益を被る可能性があるので、保険会社での審査が完了、承認されてから工事開始となります。

ということで、まずは保険会社での審査のために、お見積書を作成して保険会社に提出しました。

上階からの水漏れに伴う修繕工事の内容

現地調査の結果、修繕工事の対象と内容は、

  • 剥がれている天井クロスの張り替え
  • 床(フローリング)の張り替え
  • キッチンのダウンライトの交換、耐火ボードの張り替え
  • リビングの照明の交換
  • リビングの入口のドアの交換、耐火ボードの張り替え
  • 洋室の入口のドアの交換、耐火ボードの張り替え

となりました。

修繕工事後の様子

修繕工事のためのマンション内手続き

保険会社での審査が完了、申請内容で承認が下りたところで、マンション内で必要な手続きを進めて行きました。まず、マンション管理会社に工事申請の書類を作成して提出します。その際に、床(フローリング)の張り替えにあたって床材の等級指定があるか確認のうえ提出しました。

なお、工事申請の手続きは、マンションの管理規約によって異なるため、必要な書類は管理会社や管理組合への確認が必要です。

申請書類は業者が代行して提出できることもありますが、一般的には入居者が提出することがほとんどです。工事は専門的な内容になるので、入居者で書類を作成するには時間と手間がかかります。そのため、入居者が提出する場合でも、申請書類は業者が作成して、提出だけしていただくことが多くなります。

今回のマンションでは、上下左右の居住者様から工事の許可を得る必要があり、そのための提出書類は当社でマンション管理会社にもらいに行きました。工事にともなって騒音や振動が発生しますので、トラブルなく工事を進めるためにも事前にしっかり説明をして許可を得て進めました。

マンションなどの集合住宅の場合、入居者様としっかりコミュニケーションを取りながら進めることで、入居者様に手間がかからず、スムーズに工事の申請ができるようにすることを大切にしています

修繕工事開始に向けた準備

今回は上階からの水漏れによって床(フローリング)の張り替えが必要ですが、入居中ということで当然ながらお客様の家具や家電製品などの家財があります。しかし、張り替えをするためには、移動しなければいけません。移動するときに壊れる可能性があるものは、事前に段ボールをお送りして段ボールに詰めていただきました。

また、工事内容がお客様ご在宅のうえで数日でできるものではなく、工事期間は1ヶ月半ほどが見込まれました。そのため、工事期間中の仮住まいとしてマンスリーマンションを探していただいて、一時引越しをしていただきました。

工事期間ギリギリでマンスリーマンションを契約すると、万が一工事が遅れた場合に住む場所がなくなってしまいますので、余裕をもって2ヶ月で契約していただきました。

修繕工事の実施

居住者様に仮住まいにお引っ越しいただいて、いよいよ修繕工事の開始です。

リビングの天井の下地はコンクリートだったためクロスの張り替えのみですが、キッチンの天井は耐火ボードで水を含んでたわんでいたためクロスの張り替えに加えて耐火ボードの張り替えも行いました。天井クロスは、今まで同じような色のクロスで張り替えました。

キッチンのダウンライトとリビングの照明は、ダウンライトはクロスや建具と調和した白に交換、照明は同じようなものに交換しました。

ドアの枠は圧縮材を使用しており、圧縮材は一度水を吸って膨らむと元に戻らないため、ドアを交換し、耐火ボードの張り替えをしました。ドアの色は、交換しないドアと似た色に交換しました。

そして、今回一番大きな修繕は、床(フローリング)の張り替えになります。床材が水を吸うと剥がれやすくなるのですが、床があまり濡れないよう、お客様が桶を置いたり拭いたり対応されていたので、床材は思ったより水を吸っていませんでした。むしろ、既存の床材を張ったときの糊が強く効いていて剥がれが悪く苦戦しました。床材は同じ木目調で色を薄めの落ち着いた色で交換しました。

上階からの水漏れに伴う修繕工事を終えて

通常のリフォーム工事ですと、お客様のご予算やご要望をお伺いして、より良い生活空間となるよう様々なご提案をさせていただきます。しかし今回は、上階からの水漏れ(階下漏水)に伴う上階居住者様の個人賠償責任保険を使った修繕工事であり、あくまで損害を受けた状態を元に戻す目的の工事となります。

そのため、損傷したものと同等品への交換となるため、限られた範囲ではありますが、他との色の調和などできる範囲ではありますがご提案をさせていただきました。引き渡し時にお客様からは感謝のお言葉をいただけて、こちらも嬉しかったです。

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