2024年5月30日 | リフォーム事例
今回は、「賃貸オーナー様」または「賃貸オーナー様にお得な提案したい不動産管理会社様」に、是非ご覧いただきたい事例になります。
なにかと言うと、補助金を活用した省エネ型給湯器への交換事例です。
住宅省エネ2024キャンペーンをご存じでしょうか?
国土交通省と環境省、経済産業省相乗りの補助事業で、「2050年カーボンニュートラルの実現に向け、家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入等の住宅省エネ化を支援する4つの補助事業の総称」とキャンペーンサイトに書かれています。
※詳細を知りたい方は、こちらをクリックして住宅省エネ2024キャンペーンサイトをご覧ください。
日本は2020年10月に2050年にカーボンニュートラル(温室効果ガスゼロ)を実現することを宣言しましたよね。しかし、これは並大抵のことでは実現が難しく、産業部門や運輸部門だけでなく、家庭部門の省エネ化を推進する必要があるので、国として支援していくということですね。
4つの補助事業の1つが、賃貸集合給湯省エネ2024事業です。今回活用したのは、この補助金です。これは集合住宅の従来型給湯器をエコジョーズまたはエコフィールに交換する場合に、要件を満たしていれば補助金が出るという補助事業です。
経済産業省資源エネルギー庁では「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」を策定していて、かなり高い目標の省エネ量を決めているのです。2030年度の家庭部門の目標は、なんと2019年の約3.3倍の省エネ目標!
この高い目標を達成するために、家庭におけるエネルギー消費で大きな割合を占める給湯の省エネ化を推進していくというのが、賃貸集合給湯省エネ2024事業です。
今回ご依頼をいただいた賃貸オーナー様は、キャンペーンのチラシをご覧いただいて興味があるとご連絡をいただきました。物件は賃貸アパートで、給湯器は8台設置されていました。
まずは現地調査です。
この補助事業の対象は、その名のとおり集合住宅になります。戸建て住宅は対象外、集合住宅も新築は対象外で、既存の集合住宅になります。集合住宅の場合は、給湯器の設置場所によっては省エネ型給湯器(エコジョーズ/エコフィール)が設置できないこともありますので、しっかり現地調査をおこないます。
こちらの物件に設置されている給湯器は壁掛けタイプのものでしたので、省エネ型給湯器への交換が問題ないことを確認できました。
集合住宅の物件オーナー様、不動産管理会社様の中には、PS(パイプシャフト)に給湯器を設置していて、「ドレン排水が難しい」、「ドレン排水の配管工事費用がネック」、「ドレン排水の配管工事不要の機種は本体価格が高い」ことで、省エネ型給湯器への交換を見送っている方がいるかもしれません。
このような場合でも、今回の補助金は費用面で大きな助けになると思います。これについては、後ほど、もう少し詳細にご説明します。
補助金が出るからといって、集合住宅に設置している給湯器を一気に交換するケースは稀で、一部を交換していくことになりますよね。給湯器自体、部屋ごとに交換している時期がバラバラになるのが普通ですので、設置してからの年数にバラつきがあることを考慮して、交換する給湯器を決めていきます。
ここで基準にするのが、給湯器の耐用年数です。
給湯器の耐用年数は約10年になります。あくまで耐用年数ですので、耐用年数を超えても故障しないで使い続けられることもありますが、平均をとってみるとやはり10年が近くなってくると故障が多くなってきます。そのため、当社では10年近くになって故障した場合は部品交換ではなく、給湯器の交換をおススメしています。
また、給湯器メーカーは製品製造終了後、部品在庫を保有するのは10年間になります。製品の製造が終了して10年超の場合は、部品交換で修理したくても、部品の入手が困難になりますので、生産終了していないか?終了している場合はいつ終了したのか?も考慮します。
ご依頼いただいた賃貸アパートの8台の給湯器は、5台は設置から15年以上経過、残り2台は7年経過、1台は2年経過という状況でした。ちなみにメーカーはノーリツが5台、リンナイが3台とメーカーが混在していました。
お客様からは、「耐用年数10年を超えている15年以上経過の5台を交換」することでお見積りのご依頼をいただきました。
さきほど記載したとおり、耐用年数の10年を交換対象を決めるときの判断基準とすると、15年以上経過している5台の交換で良いです。しかし、7年経過している2台も、あと3年ほどで10年になり故障確率も高くなっていきます。
そこで、長い目でみるとお客様にとって、このタイミングで補助金を活用して交換した方が、より良い選択になるのでは?と考えて、5台交換と7台交換の2パターンで、お見積りと補助金額の試算をご提示しました。
今回の補助事業では、補助額は追い炊き機能の有無で変わります。追い炊き機能なしは5万円/台、追い炊き機能ありは7万円/台が補助額上限となります。お客様のご希望は追い炊き機能なし(給湯専用)のエコジョーズでしたので、5万円/台が補助額の上限となります。
工事費用は、省エネ型給湯器本体代金+標準工事費+その他工事費になります。ここに5万円/台の補助が出ることになりますので、補助額を差し引いた額が実費となります。
お客様にてご検討いただいた結果、7台の交換でご依頼をいただきました。
現在設置されている給湯器を取り外して、エコジョーズに交換しました。メーカーはリンナイだけとなりました。メーカーが混在しているよりも、同一メーカーの方がやはり管理面では良いですね。
補助金交付を受けるためには、さまざまな書類の提出が必要になりますが、当社ですべて対応させていただきます。
補助額の分、お得に従来型給湯器から省エネ型給湯器に交換できます。これは言うまでもないですね。
従来型の給湯器から省エネ型給湯器に交換することで、約10~15%ガス消費量をおさえることができます。その分、ガス料金をおさえることができます。ガス料金も値上がりしている状況ですので、ガス料金を節約できることは、空室対策の観点からも有効と考えられます。
住宅省エネ2024の目的は、2050年カーボンニュートラルの実現でしたよね。大きな話なのでピンと来ないかもしれませんが、省エネ型給湯器に交換することで家庭部門の省エネに貢献できます。ひいては、日本のカーボンニュートラルの実現、地球環境に貢献できます。
PS(パイプシャフト)に給湯器を設置している場合について補足します。
省エネ型給湯器は、従来型の給湯器で燃焼排ガスとして捨てていた熱をリサイクルすることで、熱効率をこれまでの約80%から約90〜95%へ大幅に向上していますが、その際にドレン排水が発生します。このドレン排水を何らかの形で処理する必要があります。
PS内に設置している場合は、三方弁方式でドレン排水を処理します。ここでは仕組みを細かく説明することはしませんが、三方弁設置できる省エネ型給湯器は追い炊き機能つきになります。リンナイだとKaecco、ノーリツだとhi・sui・sui(ハイスイスイ)が三方弁設置できる省エネ型給湯器の商品になります。
既設の追い炊き配管を使用するため、ドレン配管工事は不要ですが、ドレン排水切替ユニットを浴室内に設置する必要があります。このあたりで、費用が高くなるのを懸念して省エネ型給湯器に交換していない場合は、追い炊き機能ありだと7万円/台の補助額になりますので、非常に大きいと思います。
事例の中で1台あたりの補助上限額など一部補助事業の内容を記載していますが、今回活用した補助事業の概要から、ポイントをピックアップして記載します。補助事業に興味がある方は、ご自身が対象かご確認ください。
※賃貸集合給湯省エネ2024事業の詳細はこちらをクリックして、キャンペーンサイトでご確認ください。
賃貸集合住宅のオーナーで、給湯器設置工事の発注者
既存の賃貸集合住宅(※新築は対象外)
既存賃貸集合住宅の1棟あたり賃貸住戸2戸以上の住戸で、従来型給湯器を補助対象の省エネ型給湯器(エコジョーズ/エコフィール)に交換
※賃貸住戸数が10戸未満の賃貸集合住宅の場合は1戸以上
エコジョーズ/エコフィール
※機器ごとにそれぞれ性能要件を満たしたものに限られますが、当社にて性能要件を満たしている機器でご提案します。
以下の金額を上限に補助
・追い炊き機能なし(給湯専用) 5万/台
・追い炊き機能あり 7万/台
2024年3月29日~予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)
政策目標に向けて初期の推進力を働かせるために、この手の補助金は出てきます。補助事業に2024と付いていることから、2025、2026と毎年続いていくように思えますが、いつまで続くかは分かりません。
給湯器に関しては、昨年度までは給湯省エネ事業だけでしたが、今年度から賃貸集合給湯省エネ事業が始まりました。キャンペーンサイトに載っている、予算に対する補助金申請額の割合を見ても、賃貸集合給湯省エネ事業は消化率が低い状況です。しかし、初年度は認知度が低くいため申請が少なくなることはよくあるので、いつでも使えると思っていると来年度は厳しくなっているかもしれません。
国を挙げて省エネ目標を実現するために動いている中での補助金ですので、入居様に安いガス料金で喜んでもらいたい!空室対策をしたい!社会の一員として環境に貢献したい!など、省エネ型給湯器への交換に少しでも興味があれば、お気軽にお問い合わせください。