屋上の防水シート劣化をFRP工法で補修して天井からの雨漏りを解消

2024年5月31日 |  水まわり工事事例

横浜市鶴見区の不動産会社様から防水工事のご依頼をいただきました。

防水工事のご依頼内容

今回ご依頼いただいた建物は、以前も雨漏りで工事をしたことがありました。

そのときは外壁と下屋根(1階の屋根)の継ぎ目から雨漏りしていたので、下屋根の張り替えと天井の張り替えをしています。

雨漏りが発生する箇所は、屋根と屋根や屋根と外壁のような継ぎ目で多くなります。下屋根がある場合は、下屋根は外壁から屋根が出ているような形をしているので、下屋根と外壁の継ぎ目で雨漏りが起こりやすくなるのです。

今回はどのような状況なのかお客様のお話しを伺ったところ、建物の2階の天井から雨漏りしているとのことですが、前回は天井の外側だったのに対して今回は内側からの雨漏りのようです。しかも、雨が強い日だとバケツいっぱいに水が溜まるくらい漏れているということなので、急いで雨漏りの修理にとりかかることにしました。

屋上からの雨漏りの原因と場所の特定

前回とは雨漏りの状況が違いますので、雨漏りの原因は別の場所にあるはずです。

まずは雨漏りしている原因と場所を特定するために、屋上にのぼって現状を確認していきます。

すると、ちょうど2階の天井で雨漏りしている部分で、屋上の防水シートの継ぎ目部分がよれて隙間ができてしまっている状態でした。

また、防水シートを固定するビス止めをしている箇所で、防水シートが劣化して浮くことで、ビスが引っ張られてビス穴が見えて、ビス穴に水が溜まっているところがありました。他にも、防水シートが破れたり、亀裂が入ったり、浮いている部分で、防水シートに凸凹ができて水が溜まっているところがありました。こうしたところから、2階の天井に漏れていると考えられました。

屋上防水の経年劣化による症状

屋上防水の経年劣化による代表的な症状は次のとおりです。

劣化した状態のままにしておくと、雨漏りする可能性が高くなってしまいます。

  • ひび割れ
  • 浮き

屋上防水のひび割れは、経年劣化以外にも地震などで建物が揺れることで起きてしまいます。また、気温の変化で防水層が膨張したり伸縮したりを繰り返すことで、ひびや亀裂が入ってしまいます。こうした防水層の隙間から水が浸透し雑草が生えると、雑草の根が防水層の劣化をさらに早めてしまいます。

防水シートは接着剤で下地に付けているため、経年劣化で密着性が弱まります。防水シートの下に結露などで水蒸気が発生すると浮く原因になります。浮いてしまうと凸凹が出来て雨水が溜まり、溜まったままにしていると、防水層の劣化を早めることにも繋がります。

屋上防水工事の内容

防水シートの劣化が原因で発生した雨漏りだったため、本来なら屋上全面の防水シートを張り替える必要があります。

しかし、お客様に雨漏りの原因をお伝えしたところ、建物が古いため取り壊す予定があることから、簡易な補修で済ませてほしいとご要望をいただきました。

そこで、2階天井部分の雨漏りの原因になっている箇所を、部分的に補修する防水工事をすることにしました。

既設の防水シートの不良個所を撤去していきます。歪んだり、凸凹になって浮いている箇所を削っていきます。その上にFRP防水をしていきます。FRPとは、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)の略称で、ガラス繊維で強化したプラスチックを塗布することで防水層を作る工法です。

FRP防水は、価格が安めで、他の防水材と比べて軽いため建物への負担が軽減されるため築年数が古い建物に適していて、硬化スピードが速く施工が1日で完了するメリットがあります。

防水シートを止めていた金具は段差が出来ると水たまりになるので、金具の上から下に垂らすように末端を施工していきました。

屋上防水工事を終えて

屋上の防水工事が完了してから何日か強めの雨が続いたので、確認のため連絡をしてみると天井から雨漏りは発生していないとご報告を受けました。

今回は建物の取り壊しの予定があるとのことで、お客様のご要望で部分的な補修を実施しましたが、屋上全面の防水シート張り替えではなく部分的な補修となると既設の防水シートと継ぎ目ができるため、屋上の防水性は低くなってしまいます。

目的は雨漏りを防ぐために防水することですので、お客様のご希望を伺ったうえで、その中で目的を達成できる最善の方法を検討・提案することで、お客様にとって満足のいく工事にすることを大切にしています。

水周りの修理・リフォーム、お困りごとがありましたら、是非一度お問い合わせください。

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